2007年 8月 の記事
大学1年の後期
社会専攻になった私は、未練たらしく国語専攻の友だちにくっついて「国文学演習AⅠ」なる科目を履修した
「江國は優れています」
「重松は優れています」
「鳥山明も優れています」
江國は高校時代から読んでいたものの、重松を読んでいなかった私は
重松の「乗換え案内」がテクストとなったとき
相当斜めに読んでいたらしく、それはもうボロクソに叩きのめされたのだ
読みの全否定
今でこそ、シゲマツをほんの少し囓ったので、自分の読みのどこか間違っていたかがわかるものの、当時の自分にとっては衝撃だった
シゲマツ作品は素直な気持ちで読むべし
守り人シリーズ最終章 第三部 新ヨゴ皇国編
チャグムは民を守るため、バルサは愛する人を守るため、それぞれの道を往く
ふたたび出会うことはない二人
チャグム一人で死線を越えていく姿に
かつてのジグロとバルサを見る
いつでも、何度でも、誰とでも楽しめるジブリ美術館
訪れるたびに新たな発見と感動を与えてくれるのは、ジブリのアニメーション然り。。。
同じくらいのジブリレベルの人と行くととても幸せ
家族にせよ、友だちにせよ、恋人にせよ、相方が高レベルジブリストだった場合には本書での予習を要する
さぁ、ローソンに駆け込もう!
上橋菜穂子デビュー作の新装版
伝えたいもの、物語の核は変わっていないと作者があとがきでいうように
世界観というか物語の底流を行く考えはすでにできあがっているのではないかと思う
ただやはり描写が荒削りなので、せめて挿絵でフォローするくらいのサービスがあってもよかったのでは
[誰かを守りたいと強く思うことは、その誰かに守られていることでもある。]
少年少女特有の触れれば崩れ落ちてしまいそうな強さとそれを下支えする大人の寛さ あさの作品の持ち味はこの2つの絶妙なバランスにあると思っていたが 今作では、今までとは違った大人が登場する スジとして必要なのだから仕方がないが もっと泥臭く仕上げてくれた方がよかったというのが、正直なところ 作品全体が気取った感じであまり好きになれなかった 帯に青春小説って書いてあるけど、どうも書きたくて書いたって感じじゃないなぁ どこをどう読めば、『バッテリー』を超えたと言えるのか金原瑞人 『あさのあつこ完全読本』の論評には好感を持っていただけに落胆この上ない |
新ヨゴ皇国皇太子チャグムは、帝にその存在を疎まれ、罠とは知りながら、南の隣国サンガル王国への援護へと向かわされる
祖父トーサや狩人ジン、そして遠く離れてしまった星読博士シュガの存在を支えとし、かつてない強大な敵サンガル帝国に立ち向かおうとするチャグム
民を助ける道は、北の諸国ロタ王国とサンガル王国との同盟しか残されていなかった
すべてが終わったら……
もう一つの世界ナユグに訪れた春がこの物語に、どうか祝祭をもたらしますよう
守り人シリーズ最終章 第一部 ロタ王国編
南からの侵攻を食い止めるため、新ヨゴ皇国皇太子チャグムは単身、ロタ王国とカンバル王国との同盟に乗り出した
狩人ジンから、その事実を知らされた女用心棒バルサは、再びチャグムを護ろうと決意する
チャグムの行方を探るバルサが、カシャルのアジトでチャグムからの書簡を読んだそのとき、読み手の頬にも知らぬ間に涙が流れていた
『精霊の守り人』から10年、長く紡がれてきた物語でしか伝えられない“確かなもの”
頬を伝うそれは、読者がバルサたちとともに歩んできた証だ
児童文学界の大首領、後藤竜二の原風景
60年代石狩平野
農の転換期
日本の農業の末端で何が起こっていたか
今ある自分を規定する読書と今とは違う自分に期待する読書
もちろん、本を手に取る上でこんな小難しいことを意識しているわけではないが
ただ楽しむ読書というのは、前者だろうなと思う
後者は多少の苦痛を伴うとしたら、本を読まない人のそれは、ほぼ後者になるがゆえに敬遠したくなるのかもしれない
守り人シリーズ最終章 第二部 カンバル王国編
バルサの故郷カンバル王国、チャグムとバルサはロタ王国とカンバル王国との同盟を結ぶために王都を目指す
シリーズ2作目『闇の守り人』で手にしたもの、失ったもの
そのすべてが複雑に絡まり合いながら、物語が展開していく
シリーズを通して、倫理観、世界観を示してくれていたジグロの言葉が少ないのは残念だが
ジグロを思い起こすことなく、バルサの所作に滲み出るそれを読み解くのも一興だろう
ここまで来たからこそ口に出して言えるバルサからチャグムへの想いがあるわけで
それを思えばアニメ第19話で『親に刃物を向けるとはどういう了見だい』は、早すぎるよ神山監督