原木きたる(読書マラソン56)
何かを考えているようで、その実何も考えていなかった高校時代
何とはなしに、図書館にあった数少ない山田詠美を読んだものだ
貸し出しカードの名前から、先輩に「山田詠美読むんだね」と言われた記憶も懐かしい
多少なりとも背伸びをしていたあの時期
読みの浅さをただただ悔いる
ついにNO.6の中枢、矯正施設に入り込んだ紫苑とネズミ
その地下で明かされることになったNO.6創造とそれにまつわる破壊の物語
真実の重さに打ちひしがれながらも、ネズミのすべてを知りたいと願う紫苑
『聖なる祝日』に開かれた終末への扉、その先に待つのは
p.152が怖すぎる
日本経済新聞社ではなく地域ブロック紙中日新聞社経済部が取材したトヨタの姿
先月も大規模なリコールがあったトヨタだが
その企業体が成長していく過程で、人づくりにこそ心血を注いできたことがわかる
「ものづくり支える人づくり」
社会見学ではぜひそこに気付かせたいと思う
余談だが、本書を読んで大学4年次に経済部部長の佐藤氏から講義を受けられたことをあらためて誇りに思った
人間の業と生を問い直す、あさのあつこ新作
書いてみたいネタをそこここに盛り込んだという感じで
良くも悪くも消化不良
かといって読み返す気にはならない
表題作より、もう一篇収録の「崖の上」の方がええ
大学時代の塾手伝いにおいて、私は中学生に対して「よき友と出会うために学ぶのだ」と自身の体験を基に説いてきた
小学校の教壇に立ち9ヶ月、目の前の子どもたちに「大切なのは教科書の中身ではなく、物事を自分で考えられるよう器をつくること」という姿勢で臨んでいる(指導書片手に日々を凌いでいる情けない現実ではあるが)
さて、齋藤孝は藤原和博、志水宏吉と並びクリアな教育観を示してくれる稀有な存在である
本作は、学びの復権を目指し[吉田松陰][福沢諭吉][夏目漱石][司馬遼太郎]の近代日本人を教育した4人をピックアップし、教育の原点に立ち戻ろうと呼びかけるものである
「憧れへの憧れ」「パッション」「技化」「~力」などのサイトー語を綯い交ぜに
熱く語られる教育とは、学びとは